貝葉に見る般若心経の秘密 ダンマパダ

第4章  (48)
花を摘むのに夢中になっている人は、
まだ望みをはたさないうちに、
死神に征服されることになるであろう。
第4章には、花と香りに関する詩が集められています。
この中で、花の意味には二通りあります。一つは、仏陀の教えである善行を意味しますが、もう一つは欲望を示しています。
ここに挙げた詩においては、後者、欲望の意味で使われています。
花を摘むのに夢中になっている人、というのは、心のおもむくままに何の制御もせず、ただ欲望を満たすことのみに奔走している人のことです。
言い換えれば煩悩そのままに生活している人のことです。
しかしその人達は多くの苦しみをかかえています。
求不得苦と言って欲しいものが手に入らない苦しみや、老いぼれていく苦しみなどです。
そして何とかして手に入れようとあせり、老いぼれないように不老長寿の薬を探し続けているのです。
結局その解決策を手にすることなく、苦しみ続けているのです。
まだ望みを果たさないうちに、一生を終えてしまいます。
第4章の中に、学びに務める人こそ真理の言葉を摘み集めるであろう、という詩があります。
早く気づいて、真理の言葉を学び実行しなくてはなりませんよ、と言うことです。
仏陀の教えと言うのは、縁起であるとか空であるとか、哲学的面をおおきな柱としています。
しかし同時に、このように実際に即した教えにも力をそそいでいるのです。
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