道諦
苦は原因となる煩悩から作り出されているのであって、その煩悩を制御することによって苦を無くすることができると説かれました。
そして更に道諦として、どのようにすれば煩悩を制御できるようになるかを説かれているのです。
それは八正道を実践することです。
  正見   ものごとを正しく見る
  正思   ものごとを正しく考える
  正語   うそを言わない
  正業   正しい行いをする
  正命   正しい生活をする
  正精進  正しい努力をする
  正念   正しい到達目標を持つ
  正定   正しく心を落ち着かせる
ということです。
仏陀の宗教家の側面をはっきりと示している、実践哲学であると言えましょう。
仏陀が出家して最初の頃、厳しく肉体を責めるような荒修行をしましたが、それでは悟りを得ることは出来ませんでした。
また、出家前の王子の生活においては当然悟りを得ることは出来ませんでした。
極端な苦行や、極端な快楽からは苦を無くすることはできないのだと言っています。
この八正道は、極端な苦行でもなく、極端な快楽でもありません。中道なのです。
この中道と言う考え方は、仏陀の根本的教えであり、それは自らの体験に基づくものなのです。中間的に合わせて二で割ったところを進めと言うのではありません。
最適なバランス点を進めと言っているのです。
その最適なバランスとして言葉で言うならば、八つの行いなのです。
この八正道とは苦行と快楽の両極端に近寄らず、最適バランスをとった正しい道であります。
ですから、仏陀の根本的思想である中道という考え方に基づいた八正道を実践することによって、心を適切に制御できるようになって、苦を生じることがなくなるという教えなのです。
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